グーグル量子コンピューター開発で

半導体から量子へコンピュータ革命

量子コンピューター 
 グーグルが現在最速のスーパーコンピューターで1万年かかる計算をわずか3分20秒で解ける量子コンピューターを開発したことがニュースになりました。53個の量子ビットの量子プロセッサ「Sycamore」を用い、従来のコンピューターではなし得ない「量子超越性」を実現したとしています。
 従来のコンピューターの頭脳でもある半導体集積回路であるCPUは
「ムーアの法則」という半導体の集積密度は1年半~2年で2倍になるという経験則を基づき、
性能が指数関数的に向上してきました。
しかし、このところはプロセスが移行せず、スピードが鈍化しているため、「ムーアの法則」の限界がささやかれてきました。
現在のチップは10nmまで微細化されていますが、アメリカの大手CPUメーカーIntelはプロセスルールが適用がなかなか進んでいません。
そんな中、半導体でシェアを上げている中国、韓国、台湾メーカーは7nm、3nmとさらに微細化を継続していく動きがあり、日本の半導体産業も落ち込む中、成果を上げている印象がありました。
 ところが、時代は半導体から量子コンピューターの方へシフトしつつあるのです。従来の半導体とは桁違いの計算ができることから、次世代のコンピューターとはされてきました。ただ、技術的に難しく未来のコンピューターではあったのです。それが進展し、また一つ実現に近づいたわけです。
 IntelやIBMも量子コンピューターの開発を行っていることから、半導体開発より量子コンピューターの方に目が向いているように見受けられます。アメリカ、日本でも量子コンピューターの開発は盛んで、日本でも方式の違う量子コンピューターの開発に成功しています。半導体から量子に移行していくのは近いかもしれません。
 まだまだ量子コンピューターは開発段階で、経済的には半導体産業の方が現実的ですが、将来性を見据えると量子コンピューターを実現させた方が成功していけます。成果の上がらない半導体産業よりも量子コンピューターに切り替えた方が、はるかに飛躍していけるからです。

根本的に違う量子コンピューター


 従来の半導体と量子計算では何が違うかと言いますと、電子機器は0と1の2進数のデジタル信号で成り立っています。情報はその0と1のビットで表されます。それが1桁なら1ビットで2桁なら2ビットのように、桁数によってビット数が決まります。

 例えば、○○○○のような4ビットを計算する場合、0000、0001…~1110、1111まで順に入力し、CPUで演算処理され出力されるわけですが、一つ一つ答えを出力しなければならないため、時間が掛かります。またその桁、ビット数が大きくなればなるほど、CPUに負荷がかかり、高性能なパソコンが必要になります。スーパーコンピューターの性能にはそれが求められるわけです。

 ところが、量子コンピューターの場合、0000~1111までのすべての数値が同時に存在できる不思議状な状態でいられます。一度に0000~1111までを入力でき、一瞬で答えを導きだせるのです。

 入力一つに対して出力一つのような、従来の計算方式ではありませんが、数ある数値の中から最適な数値を導きだすような計算には従来の比ではない高速処理が可能になります。

 今回の発表は53ビットの量子コンピューターでしたので、とてつもない桁数の計算になります。スーパーコンピューターでも1万年かかってもおかしくないわけですが、それをたった200秒で答えるものです。従来のコンピューターをはるかに超える、比較にならないものなのです。


量子コンピューターと光ファイバーと組み合わせれば、半導体はオワコン!


 これほどの量子コンピューターが実現できれば、情報処理は今、クラウド化しているように、端末に高性能なCPUは必要なくなります。それはゲームがクラウド化している事と同じことです。5Gになり、高速、大容量な通信が可能であれば、わざわざバッテリーの電池を消耗する高性能で高負荷なCPUも大容量なメモリーも必要なくなるはずです。
これを見据えれば、無理に半導体産業に活路を求める意味はありません。中国、韓国、台湾は半導体産業で盛り上がりを見せていますが、量子コンピューターが完成してしまえば、すべてが覆ります。

 人類が人間の能力では何千、何万年かけてもなし得ないような事が出来てしまうかもしれない量子コンピューターの方が半導体に携わるより断然、魅力的であります。

 お読みいただきありがとうございました。
samuraijin
社会

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